ヘルメスは冷たい地面に座り込んで、太陽を見上げてばかりいる少女に声をかけた。
「アナタは誰?」
「俺はヘルメス。君は?」
「私はクリュティエ」
「太陽ばかり見つめて、そんなにアポロ様が好きなのかい?」
「うん大好き。でもアポロ様にはふられちゃって」
「そう…」
「見るだけならあの人も許して下さるから」
「ずっと見続けるつもりなの?」
「うん、ずっと見続けるつもりよ」
「どれくらいずっと?」
「ずっとずっと、いつまでもずっと」
「そう…」
そういうとクリュティエの足はだんだん地面に根をおろしていった。
顔は大輪の黄色い花となり、体は緑色の葉と茎になった。
ヘルメスは目を丸くしながら、
「ゼウス様のお力か、自らの意思か。どちらにせよ、本当にずっと見つめ続けられるようになったわけだ」
そういうと、ヘルメスはその場を去っていった。
その花は後に向日葵という名で呼ばれるようになった。
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